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  • Satoshi Takahashi

自由を奪われた国・カンボジアの真実

更新日:2023年10月19日


「私は、権力の横暴には絶対に屈しない」控訴審を終えて、刑務所に連れ戻されゆくテップ・バニー氏はそう叫び、フン・セン政権の弾圧に対し、断固たる意志を示した。カンボジアの民主化運動の象徴的存在だった彼女の投獄は、立ち上がる人々への脅しのような出来事だった。約2年間の投獄の末、彼女は渡米。現在は、事実上の亡命生活を余儀なくされている。彼女以外にも、フン・セン政権の弾圧と闘う人権活動家、ジャーナリスト、野党政治家が祖国を追われ、海外での亡命生活を強いられている。2017年2月15日撮影


 

ポル・ポト政権下での国民の大量虐殺や、20年以上に及ぶ激しい内戦を経て、国連監視の下で第1回総選挙が行われたのが今から30年前の1993年。民主的な国家を目指し、再出発したはずのカンボジアで今、何が起こっているのか―。


投票箱へ投票用紙を入れる男性。総選挙投票日の2023年7月23日撮影



2023年7月23日。カンボジアで5年ぶりの総選挙が実施され、私は現場を取材し、シャッターを切りました。前回の総選挙である2018年と同様に、最大野党が排除され、独立系メディアが閉鎖され、人権活動家や野党政治家が次々に投獄される中で実施された、公正を欠く総選挙でした。40年近く実権を掌握するフン・セン首相は権力の座を、カンボジア陸軍の司令官を務める自らの長男である、フン・マネット氏へ近く世襲することが確実視されており、この度の総選挙は、その布石となる時間でした。総選挙は、フン・セン首相率いる『人民党』の勝利が明白で、カンボジアは独裁化への道を突き進んでいます。


プノンペン最大のカジノ『ナーガワールド』の電光掲示板に、フン・セン首相率いる人民党への投票を促す大きな映像が映し出されていた。総選挙キャンペーン最終日の2023年7月21日撮影



フン・セン首相の長男で、世襲による首相就任が確実視されているフン・マネット氏。投票を終えたことを示すインクの付いた指を、報道陣に示した。総選挙投票日の2023年7月23日撮影



2018年と同様の、最大野党を排除した公正なき総選挙。独裁色を強めるフン・セン政権への抵抗の意志を、無効票という形で投じる人もいた。総選挙投票日の2023年7月23日撮影


 

この事実を踏まえ、2020年に私が書かせていただいた秋田魁新報社とラインニュースの特別企画の記事『アンコールワットのにぎわいの陰で...自由を奪われた国・カンボジアの真実』を再度掲載いたします。今にいたる強権的な状況が加速するきっかけとなった2013年を起点として、2019年までのカンボジアでの取材と、祖国の公正な社会の実現を心から願い、弾圧に命をかけて抗う人々の姿を写真で構成しています。発表後、多くの皆様にご高覧いただいたストーリーです。



 

また、秋田魁新報社で行わせていただいた6回シリーズの新聞連載『カンボジアの真実』も再度掲載いたします。紙面では一ページ全面を使い、複数の写真と共に構成していただいた掲載でした。前述させていただいた特集記事と同じく、今にいたる強権・独裁の状況が加速するきっかけとなった2013年を振り返りながら、祖国の窮状に立ち向かい、日本で活動するカンボジア人の皆様の思いも含め、6回のシリーズをまとめています。こちらも、今こそ見ていただきたい内容です。



 









私はこれからもカンボジアでの取材を続け、弾圧と独裁の中で消されていく声なき声を見つめ、シャッターを切っていきたいと思います。この度の総選挙取材の詳細は、後日改めて掲載いたします。

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