アメリカの国際写真賞『reFcus Awards』から連絡があり、カンボジアで取材した2つの作品が、2023年度の賞において、『フォトジャーナリズム部門』でファイナリストにノミネートされました。一つは、カンボジアの勇気ある著名な人権・土地問題活動家として活動されていたヨーム・ボパー女史の不当な投獄からの釈放を、長い闘いの末に人々が力を結集させて掴んだ際の、歓喜の涙。白と黒のフェイスペイントは正義と不正義を表し、人々はこの日、ボパーさんの裁判が行われる最高裁判所前に集いました。人々の涙は、ボパーさん釈放への歓喜と共に、権力によって命を脅かされることのない人権と自由が尊重された社会への渇望を強く感じました。
そしてもう一つは、『カンボジア独立の父』ノロドム・シハヌーク前国王崩御の祈り。王の死を悼むために、数千人の僧侶が王宮前に集い、荘厳な祈りを唱えました。歴史の大きな流れを感じた、忘れ得ぬ取材現場の一枚です。
審査員によりファイナリストにノミネートされた作品はreFocus Awardsのサイトを通じて現在公開されており、世界中の方を対象とした『投票』が行われ、最終的な受賞が決まります。
もしよろしければ皆様の『Vote』をお願いいたします。
作品の背景にあるカンボジアの人々の大切な願いに少しでも光を当て、私はこれからも伝え続けていきたいと思います。下記が投票ページのURLになります。
1: The Struggle Against Oppression
2: Prayer to the King
ノミネート全作品
reFocus Awardsは、昨年2022年度にアメリカで立ち上がりました。第1回目となった昨年は、世界68か国から作品が集まり、ファイナリストにノミネートされた各作品には4万1千を超える投票が行われ、最終的な受賞が決まりました。私の作品は、フォトジャーナリズム部門で2作品が、第3位相当の『Bronze』と、奨励賞相当の『Honorable Mention』を、その他部門で1作品が第3位相当の『Bronze』を受賞することができました。作品を通じて、取材を続けているカンボジアと故郷秋田に温かい関心の目が集まることを願います。
投票をしていただいた全ての皆様に、心から感謝いたします。本当にありがとうございました。
2022年度受賞作品
高橋智史紹介ページ
Comments