アメリカの国際写真賞『reFocus Awards』から連絡がありました。ファイナリストに選出された2作品の中から1点が、プロの部・フォトジャーナリズムのカテゴリーで『Honorable Mention』(奨励賞)を受賞しました。
受賞作品は、カンボジアの勇気ある著名な人権・土地問題活動家として活動されていたヨーム・ボパー女史の不当な投獄からの釈放を、長い闘いの末に人々が力を結集させて掴んだ際の、歓喜の涙の一枚です。白と黒のフェイスペイントは正義と不正義を表し、人々はこの日、ボパーさんの裁判が行われる最高裁判所前に集まりました。人々の涙は、ボパーさん釈放への歓喜と共に、権力によって命を脅かされることのない人権と自由が尊重された社会への渇望を、強く感じました。
同Awardsには今年、約70か国の写真家から応募があり、審査員によりファイナリストに選出された作品は世界中に公開されました。その後、最終的に3万を超える投票が行われ、その投票が加味されて各受賞が決まりました。
私が取材をさせていただいたカンボジアの人々は、自由と人権が尊重された社会を渇望していました。権力によって命が脅かされることのない未来を子どもたちに届けるために、不当な弾圧に立ち向かい続けました。瞼を閉じて思いを馳せれば、その光景と叫びがすぐに鮮明に蘇ります。この度の受賞も、彼らの勇気に与えられた賞だと思います。
野党政治家、人権活動家が投獄され、強権に異を唱えるメディアが閉鎖されるなど、弾圧が続くカンボジア。今年の7月には総選挙が実施されますが、2018年の総選挙と同様に、最大野党を排除した公正無き総選挙を迎えようとしています。私はこれからも、弾圧に立ち向かうカンボジアの人々の屈せざる願いを見つめ、心ある関心の輪を生み出すことができるように取材に取り組んでいきたいと思います。この度の投票を通じて、私の志を応援してくださった全ての皆様に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。
受賞作品は下記より閲覧できます。
長きにわたり、取材活動を温かく見守っていただいている秋田魁新報社の電子版にご掲載いただきました。
受賞者リスト
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